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続き

  物資不足などに苦しむ現地の様子などを経て、カメラはスタジオに戻る。富川アナは、現地の生中継を見ながら、状況を解説し始めた。

「そして国道8号では今も1100台の車が立ち往生しているんですね。現在の様子を見てみます。(中略)ここはもう、少しずつは動き始めているようなんですが、まだスタックしている車何台も見えまして」

   夜の闇の中、立ち往生する車の周りで、自衛隊員たちが雪をかき出す姿にレンズはフォーカスする。

「今、トラックの周辺、自衛隊の姿が見えますね。タイヤの周りの雪をスコップでかきだしている様子が見えます。最初は手作業でしかできなかったんですけども、スペースを作ってようやく重機も入れるようになったということで、ややスピードは上がっているという状況です。各地から1100名ほどの自衛隊の皆さんが除雪などのために駆けつけていまして、今写っているのが新潟から来た自衛隊の皆さんです。こちらの皆さんは昨日の夜10時から除雪を続けていて、220台を救ったということなんです」

   そして、問題の部分である。

「ただ、24時間で除雪できたのは、手作業がメインだったということもあって、わずか1.5キロほどなんですね。国交省の最新情報によりますと、現在も国道8号の立ち往生は金沢方面上りでおよそ16キロにわたり800台、福井方面下りでおよそ8キロにわたって300台ということで、まだまだ先が見えない状況が続いてしまっていますね」

   コメンテーターの後藤謙次氏がこれを受けて、激しい雪が続くことが、復旧を非常に困難にしていることを補足する。富川アナもうなずいて、コーナーをこう締めくくった。

「1100人が入ってはいるということなんですが、やっぱり雪がすごすぎてなかなか進まない、というのが現状のようです」

   コーナー全体としてみれば、自衛隊への「悪意」というよりも、その奮闘ぶりを肯定的に伝えている印象の方が強い。富川アナの「わずか1.5キロ」の部分にしても、自衛隊の努力不足をとがめるというよりは、なおも続く上下合わせて24キロの立ち往生(当時)との比較、とも取れる。批判とは逆に、「雪の大変さ」をむしろ強調する文脈で発言は行われている。