岐阜新聞社は1月29日から今月8日まで、多治見、土岐、瑞浪、恵那、中津川、可児の6市と可児郡御嵩町の住民100人(男性51人、女性49人)に意識調査を行った。東美濃ナンバーの導入について「賛成」「どちらかと言えば賛成」が約4割、「反対」「どちらかと言えば反対」と回答した割合が約6割となり、反対が賛成を上回った。「『東美濃』になじみがない」を理由に挙げる人が多く、住民の意識醸成が課題として浮き彫りになった。

 リニア中央新幹線開通も見据え、美濃地方の東に位置する「東美濃」の呼称で知名度を高め、観光・地域振興につなげようと、多治見市や中津川市、可児市など6市1町の行政や商工団体は昨年10月、東美濃ナンバー実現協議会(会長・田代正美多治見商工会議所会頭)を発足。公共施設や幹線道路に横断幕やのぼりを掲げ、首長や会頭らが駅や商業施設でPR活動を行っている。

 意識調査では、賛成の理由として「地域振興・観光振興」「知名度向上」が多かった。調査結果について、同協議会関係者は「なじみは薄いかもしれないが、これからナンバーの価値を高めていきたい」と意気込む。

 同協議会は先月、東美濃ナンバー導入の賛否を問う住民アンケートを実施し、近く結果を公表予定。業界団体などの意見も踏まえ、国土交通省への申請を総合的に判断する。来月までに申請し、認められれば20年度から交付される。実現を進める東濃地域の政財界は「協力体制は強固」と、登録実現に自信を見せる。しかし、7市町による観光・地域振興の枠組みはこれまでほとんど無かっただけに、東美濃ナンバー導入の動きは地域一体のまちづくりの試金石ともいえる。

 ご当地ナンバーは国交省が04年度から開始し、現在30地域が登録。昨年5月に▽おおむね5万台を超えている▽地域住民の合意形成が図られている−などに条件を緩和し、現在追加募集を行っている。全国では、伊勢志摩(三重県)や出雲(島根県)が導入を目指しているが、他地域では住民の反対意見が多く導入を断念するケースもある。

県道上に掲げられた東美濃ナンバーをPRする横断幕
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東美濃ナンバー導入に関する意識調査
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2018年02月15日08:47
岐阜新聞
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