https://www.cnn.co.jp/m/tech/35114766.html

2018.02.15 Thu posted at 13:49 JST
ニューヨーク(CNNMoney) バレンタインデーの14日、電子的に作成した赤いバラの花の画像が、コレクターのグループに100万ドル(約1億円)で販売された。実体を持たない「仮想アート」の作品としては、これまでで最も高い値が付いたとみられる。

「フォーエバー・ローズ」と名付けられたこの作品は、アーティストのケビン・アボッシュ氏と、ネット上での仮想の贈り物のやりとりを運営するプラットホーム「GIFTO」とが提携して作成した。仮想通貨に使われるテクノロジーをアートの市場に応用することについて、人々に考察を促すための取り組みだという。

購入したのは仮想世界のビジネスに投資するコレクター10人で、それぞれが等分の資金を仮想通貨で支払った。通常の絵画と異なり触れることも家の壁に飾ることもできないが、作品の保有を示すデータをネットワーク上でやりとりすることにより、他者への販売や贈与が可能になる仕組みだ。

アボッシュ氏はCNNの取材に答え「従来人々は、実際に見たり触れたりできるものに価値を見出してきた。しかし最も価値のあるもの、例えば愛情といったものは、感じることはできても見ることはできない」「(フォーエバー・ローズは)芸術の本質的な要素に迫ることを念頭に置いている」と説明した。

アボッシュ氏は著名人の顔写真を撮影した作品で知られる。2016年には、同氏の撮影したジャガイモの写真に100万ドルを超える値段が付き、話題を集めた。これまで実体のある作品100点のほか、1000万点を超えるバーチャル作品を制作しているという。

今回のフォーエバー・ローズには150件を超える引き合いがあった。販売による収益は、若年層向けに無償のコンピューター教育を提供する団体へと寄付される予定だという。

100万ドルの値で販売された仮想アート「フォーエバー・ローズ」
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/02/15/e6589ac548207fbaee6ffbafac56d642/t/320/180/d/forever-rose-crypto-art-kevin-abosch.jpg