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2月19日 19時07分
岐阜県大垣市にある化学メーカーの工場の敷地から3年前、最大で国の基準の1万倍を超える水銀が検出されていたのに会社側が県に報告していなかったことがわかり、県は厳重に注意するとともに周辺に住む人たちに井戸水を使用しないよう呼びかけています。

基準の1万倍を超える水銀が検出されたのは日本合成化学工業の大垣市内の工場の敷地です。

岐阜県によりますと、去年12月から行った会社の調査で最大で国の基準の620倍の水銀が敷地の土壌から検出されたと報告がありました。

県が説明を求めたところ、平成27年の調査でも最大で基準の1万200倍の水銀が検出されたほか過去にも基準を超える鉛やヒ素などが検出されたのに、県に報告していなかったことがわかりました。

このため岐阜県は19日、会社側を厳重に注意するとともに今後の対応を速やかに報告するよう指示しました。

県によりますとこの工場では昭和39年ごろまで水銀が使用されており、工場の土は市内の別の工場にも運び込まれていたということです。

健康への影響は今のところ確認されていませんが、県は大垣市と連携して2つの工場の周辺の地下水を調べるとともに近くに住む人たちに井戸水を使用しないよう呼びかけています。

日本合成化学工業では、「汚染された土壌は原則すべて撤去する予定で、今後は岐阜県の指導のもと、適切に対策をとっていく」などとコメントしています。