https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180220-00000513-san-pol

兵庫県西宮市の今村岳司市長(45)が辞職願を提出した19日、市側は記者会見を開いた。
出席したのは副市長2人だけ。市長本人は「会見はしない」と言い残して退庁したという。
突然の辞職願提出に、市民らからは「なぜ今なのか」「説明責任を果たすべきだ」などと批判の声が上がった。

市議会の田中正剛議長によると、提出された辞職願には理由を「一身上の都合」と記したのみ。
20日開会の3月定例会直前というタイミングに、田中議長は「予算案を提出したことは一定の役割を果たしたと思う」
としながらも、「本来なら市民に対して自分の考えを述べるべきだと思う」と説明責任を果たさない姿勢を批判した。

辞職願の提出を受け、市側は午後5時半から会見を開いたが、姿を見せたのは松永博副市長と掛田紀夫副市長の2人だけ。
両副市長によると、今村市長は19日午前に市長室に2人を呼び出し辞意を明かしたが、辞職理由の説明はなかった。
ただ、3月定例会に提出予定だった市長退職金を3割削減する条例案には、これまで不快感を示していたという。

2人は今村市長に自ら会見を開くよう求めたが、市長は「会見はしない」と明言して退庁した。
松永副市長は「言動には問題があったが、発想力や業務への熱意についてはたけていた」とし、
「任期満了まで市政運営を全うしてもらいたかった」と語った。

突然の辞職願に市民からは批判の声が上がった。同市産所町の会社員、佐藤真由美さん(58)は
「遅すぎる。目立ちたくて中途半端に辞めたという印象を受ける」と憤った。同市松下町、主婦の黒川奈緒子さん(36)は
「議会(の開会)直前に辞めるような人を選んだ市民にも責任がある」と話した。

一方、ある西宮市議は「退職金減額の条例案や非難決議が可決される前に先手を打ったのだろう」と指摘していた。