平昌五輪の選手たちをスキー板作りで支える大嶽正樹さん(左奥)と佐藤陽介さん(岐阜県御嵩町の「ジャパーナ テクニカルセンターミタケ」で)
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◆「切れ味」特長、厚さ0.01ミリ単位で調整

 平昌五輪のスキー競技で活躍する選手たちを、名古屋市中区のスポーツ用品メーカー「ジャパーナ」の技術者2人が作るスキー板が支えている。アルペンとフリースタイル・モーグルで国内外の11選手が使用し、その一人でアルペン日本代表の湯浅直樹選手(34)は22日の男子回転に出場する見込みだ。2人は「100%のパフォーマンスを発揮してほしい」と願っている。

 同社が製造する「ハート」は世界的に知られるスキー板ブランド。同社の大嶽正樹さん(42)と佐藤陽介さん(36)は岐阜県御嵩町の工場で、設計から製造まで一貫して携わり、選手向けのスキー板をオーダーメイドで提供している。

 2人が生み出すスキー板は、小さな動作でも鋭くターンできる「切れ味」が特長。選手やコーチらの意見を聞きながら、板の厚さや側面のカーブの度合いなどを0・1〜0・01ミリ単位の精密さで作るという。モーグルでは、2006年のトリノ五輪から3大会連続で、同社の板を履いた選手が金メダルを獲得。平昌ではすでに、フランスや韓国など5か国の男女10選手が使用し、女子モーグルでカナダの選手が銀メダルに輝いた。

 湯浅選手についても、アルペン競技の経験がある佐藤さんが、湯浅選手の動きを動画で繰り返し観察。俊敏性があり直線的にコースを攻める持ち味を最大限に生かすため、特別にメタル素材を用いて安定感を保ちながらも、4年前のソチ五輪より約80グラムの軽量化に成功した。佐藤さんは「湯浅選手はトップ選手に引けを取らない。自分が作り込んだ板で、爆発力のある滑りを見せてほしい」と期待している。

2018年02月21日
YOMIURI ONLINE
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