2018.2.27 01:10
 平成30年度予算案をめぐる衆院予算委員会の与野党攻防が26日、過熱した。野党は働き方改革関連法案の提出を断念しない限り予算委の審議を拒否する構えで、与党は強硬姿勢に押され、目指していた27日中の衆院通過を断念した。野党は裁量労働制をめぐる厚生労働省の相次ぐデータ不備への批判の高まりに勢いづいており、与党側には動揺も広がっている。(小沢慶太)


 「すべて完璧に行けば世話ないが…」

 自民党の二階俊博幹事長は27日未明、断続的に続けた与野党幹事長・書記局長会談が平行線に終わり、記者団に疲れた表情でこう漏らした。

 同党の森山裕国対委員長は26日、二階氏と打ち合わせた上で立憲民主党の辻元清美国対委員長と会談した。データ不備問題をめぐり、政府に一層の説明責任を果たすよう申し入れる方針を文書で伝えたが、働き方改革関連法案の提出断念などには言及しなかった。

 一方で、森山氏は30年度予算案について、野党の審議時間が29年度予算案の時間を超えた現状も説明した。自民党は3月中に予算を成立させた後に憲法審査会で改憲議論を集中的に行いたい意向で、予算案審議の遅延は最小限にとどめたかった。

 与党側の態度を受け、立憲民主党など6野党の幹事長・書記局長は26日夕に会談し、与党側から明確な回答がない限り、30年度予算案に関する日程協議には応じない方針を確認した。立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者会見で「与党側から回答があるまでは採決など論外だ」と語った。

 外出した二階氏は26日午後8時過ぎに国会に戻って幹事長会談に臨んだが、法案提出の意向は曲げず、協議は27日に仕切り直しとなった。


 野党はデータ不備という敵失で攻勢を強めるが、与党側は安倍晋三首相が「働き方改革国会」と命名するほど法案に力を入れるだけに、妥協できる材料は乏しい。与野党のつばぜり合いが深夜まで続く現状を、日本維新の会の遠藤敬国対委員長はこう皮肉った。



 「これじゃ働き方改革逆行国会だ」

http://www.sankei.com/smp/politics/news/180227/plt1802270009-s1.html