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2月27日 18時11分
シリアのアサド政権は、反政府勢力への攻撃を続けてきた東グータ地区で、日本時間の27日午後4時から、一時的に攻撃を停止する措置を始め、今のところ、戦闘はおおむね収まっているもようです。

シリアのアサド政権は、首都ダマスカス近郊にある反政府勢力の拠点、東グータ地区で、現地時間の27日午前9時(日本時間の午後4時)から攻撃を停止する措置を始めました。

この措置は、国連の安全保障理事会が停戦を求める決議を採択したことを受けて、アサド政権に影響力を持つロシアが提案したもので、1日5時間に限って攻撃が停止されることになっています。

ロシア軍によりますと、市民が地区の外に退避するための避難路が設けられ、出口にはアサド政権の兵士が待機しているということです。内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」によりますと、今のところ、政権側の攻撃はおおむね収まっているということです。

一方で反政府勢力の主なグループは「市民に強制的な退去か、爆撃による死か、選択を迫るもので受け入れられない」として、今回の措置に協力しない姿勢を示しています。

このため、市民の退避が進まなかった場合、アサド政権側が反政府勢力が市民を「人間の盾」に利用しているとして再び攻撃を強めるおそれもあり、戦闘が収まった状態が続くかは予断を許さない状況です。

攻撃を停止する措置は日本時間の午後9時まで実施される予定です。