言うまでもなく中国では反日感情の強い人が少なくないが、最近では「親日」や、日本をよく理解しているという意味の「知日」家も増えている。さらには、日本に媚びる「媚日(びにち)」と呼ばれる人もいるようだ。

 しかし、「親日」や「媚日」の人は中国では何かと生きづらいようで、中国メディアの観察者は24日、旧日本軍のコスプレをした過激な媚日派の中国人が、中国国民からの制裁を受けたと伝える記事を掲載した。

 この事件は中国人男性2人が23日、南京市にある中山陵と総統府で、旧日本軍のコスプレをして写真を撮影し、ネット上に投稿したというもの。中山陵は孫文の墓で、総統府はいまでは近代史博物館になっている。どちらも抗日戦争に関連する場所であるため、中国人の感情を逆なでしたのは想像に難くない。

 結局、この男性2人は治安管理処罰法に基づき、15日間の行政拘留処分を受けたという。しかし、記事によるとネット上で炎上したため、彼らの受けた「罰」はそれにとどまらず、「人肉捜索」、つまり、個人情報が特定されたうえに晒し者にされ、ネット上だけでなく現実の世界でも問題が生じる事態となったと伝えた。

 日本にも個人情報に関わる問題はあるが、中国の「人肉捜索」はその比ではない。元々プライバシーという概念のあまりない中国では、自分の写真や住所、電話番号などをネット上に公開していることが多く、「人肉捜索」が容易であることも関係しているだろう。

 反日感情の強い中国であるにもかかわらず、旧日本軍のコスプレをして写真を撮る中国人がいることには驚きだが、それに対する中国人の反応もまたなかなか過激で、ネット上で制裁を受けることになったようだ。やはり中国にはプライバシーというものはないのかもしれない。(編集担当:村山健二)(写真は、南京市にある中山陵。写真提供:123RF)

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