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 奈良時代の国家行政の流れなどを今に伝え、学術的な価値が高い「正倉院文書」の精巧な複製を作るプロジェクトがいま、危機的な状況だ。国立歴史民俗博物館(歴博、千葉県佐倉市)が約40年前から進めてきたが、予算は年々右肩下がり。外部の幅広い支援を得ようと、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)の利用に踏み切ったところ、予想を超える反響があった。

 奈良の正倉院に保管されている「正倉院文書」には、戸籍や、国を挙げた大プロジェクトだった8世紀の写経事業に関する情報などが記されている。歴博の仁藤敦史教授によると、役人に支払われた対価や休暇願なども書かれている。

 原本が一般公開されたり、研究者が目にしたりできる機会は限られている。歴博は全667巻5冊の複製作りに取り組み、半分以上をすでに完了させた。

 だが近年、資金は年1千万円程…

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