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「在日韓国・朝鮮人に問う」 佐藤勝己 1991年 亜紀書房

〔佐藤氏は金嬉老事件の裁判で特別弁護人をつとめた(1968年春、在日コリアン金嬉老が借金の取り
立てのトラブルから暴力団員を射殺、静岡県寸又峡の旅館に立てこもり、宿泊客を人質にして民族差
別の不当性を訴えた事件)〕

誤解を恐れずにあえて書くと、今になって振り返ってみると、はじめて、庶民つまり「原コリアン」
に会ったのである。なぜ「原コリアン」かというと、彼は正直に自分の感情を表明する。そして、
自分の不利になるようなことは、事実であっても断固として認めようとしない。しかし、相手側の
非は、どんな小さなことでも針小棒大に言い立てる… 次に目立つことが大好きだ。天才的とも
思える組織能力、つまりある特定の人に狙いをつけたらあらゆる方法で接近を図る。看守に贈り物
をし、相手がそのワイロを受け取る。それを逆手にとって次ぎ次ぎと要求をエスカレートさせていく。
彼の独房の中は、写真で見る限り書斎のようであり、料理する出刃包丁まであった。その結果、
一人の看守を自殺に追いやってしまうのだが、これらのことは筆者にとってはまさに驚きの連続
であった。