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2月28日 20時11分
シリアの東グータ地区では28日、反政府勢力に対する激しい攻撃を続けてきたアサド政権が、住民が避難できるように攻撃を停止するとしていた時間を過ぎても攻撃を続け、住民の避難は進んでいません。

シリアのアサド政権は後ろ盾であるロシアの提案に基づいて、首都ダマスカス近郊にある反政府勢力の拠点、東グータ地区への攻撃を27日から毎日5時間停止するとしていましたが、初日は攻撃を続けました。

東グータ地区のジャーナリストによりますと、2日目の28日も政権側は朝から空爆や砲撃を行い、攻撃を停止するとしていた現地時間の午前9時、日本時間の午後4時を過ぎても、攻撃を続けているということです。

アサド政権は住民を地区の外に退避させるための避難路を設けていますが、国営テレビは、反政府勢力が住民を「人間の盾」に利用しようと避難を阻んでいるため、これまでのところ地区から出てきた住民はいないと伝えています。

内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」によりますと、東グータ地区では政権側が攻勢を強めた今月18日からこれまでに146人の子どもを含む住民582人が死亡し、アサド政権に対する国際的な非難が強まっています。