外資推薦の取締役が過半数に 日本ペイント、異例の事態

 日本ペイントホールディングス(HD)は1日、筆頭株主のシンガポール塗料大手ウットラム・グループが求める取締役会の半数超にあたる6人の選任を受け入れると発表した。
 独立した日本の上場企業で、外資企業が推したメンバーが取締役会の過半を占めるのは異例だ。
 専門家からは「事実上の乗っ取りでは」との見方も出ている。

 日ペHDは、同社株の約40%を持つウットラム側の取締役選任の株主提案を受け入れ、会社提案として28日の株主総会に出す。
 取締役を今の7人から定款の上限の10人に増やし、ウットラムのゴー・ハップジン代表のほか、元ジャスダック証券取引所社長の筒井高志氏ら社外取締役5人の計6人を入れる。

 日ペHDの経営陣はウットラム側に推薦する取締役候補の人数を減らすよう交渉してきた。
 だが、株主総会で委任状争奪戦になった場合、より多くの支持を取り付ける見込みが薄く、受け入れざるを得なかった。
 企業法務に詳しい山口利昭弁護士は「事実上の乗っ取りという印象。取締役会の中立性に疑念が出かねない」と指摘している。

朝日新聞DIGITAL 2018年3月1日14時51分
https://www.asahi.com/articles/ASL313PWFL31PLFA003.html