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3月1日 17時47分
東海道・山陽新幹線の台車で破断寸前の亀裂が見つかった問題では、台車枠の鋼材が製造の段階で、設計より薄く削られていたことがわかっていますが、はじめに亀裂が入ったのも、鋼材と部品を溶接した製造段階だった可能性が高いことがわかり、JR西日本は製造元の川崎重工業とともに詳しい原因を調べています。

去年12月、東海道・山陽新幹線の台車の枠に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、JR西日本は鋼材の底の部分が本来の設計よりも薄く削られ、強度が不足していたことを明らかにしていて、製造元の川崎重工業も、担当の社員が本来は削ってはいけない鋼材を削っていたと説明しています。

JR西日本が14センチにわたる亀裂の断面を詳しく調べたところ、鋼材と別の部品を溶接している場所から1センチ余りは赤茶けてさびていたのに対し、それより上の部分はさびなどはほとんど見られなかったことがわかりました。

こうしたことからJR西日本は、鋼材と別の部品を溶接した平成19年の製造当初の段階で、鋼材の底の溶接部分の中にわずかな亀裂が入っていた可能性が高いと見ています。

その後、鋼材の強度不足によって亀裂は相当の時間をかけて1センチ余りまで進行し、最後は比較的短い時間で上の部分まで拡大したと見て、製造元の川崎重工業とともに詳しい原因を調べています。

当初の亀裂が分からなかったことについて、JR西日本は「溶接部分の中であるため見えにくかった可能性がある」と説明し、今後、製造元とともに製造段階での超音波検査など安全を高める取り組みを進めたいとしています。

鋼材が設計より薄く削られていた台車は、ほかにもJR西日本に100台、JR東海に46台あり、各社で交換が進められています。