豪州、米国、インド、日本という4方向からの戦略対話は昨年2017年11月、10年間の空白を経て再開された
。再開に中国は否定的な反応を示し、中国外交部はこの4か国に対し、第3国に対しての制限を設けず、時代の精神を理解するよう呼びかけている。
4か国は中国との競争を否定してはいるものの、中国のほうでは独自のプロジェクトへの強敵出現を感じていることは間違いない。

ここ数年、米国は新たな貿易市場と投資フィールドを獲得する戦いで中国に負けるようになってきた。
東アジア、南アジア、東南アジア、はたまた昔から米国が強いプレゼンスを誇ってきたラテンアメリカでさえ、米国の力が及ばないようになってきたのだ。
「一帯一路」をラテンアメリカまで広げようという中国のソリューションについて、

先ごろ、米国南方面司令部のクルト・ティッド司令官は米上院軍事力委員会で演説したなかで、これは米国にとっては「安全保障の脆弱性」を生んでいると指摘している。
ティッド司令官は、中国は近未来で対ラテンアメリカ貿易額を年商5千億ドルにまで引き上げ、さらに2500億ドルの直接投資を行うことを約束した事実を思い起こさせた。
テッド氏は沈痛な面持ちで「一帯一路」の拡大によって中国は地域の主要なパートナーへの影響力を拡大する可能性を手にすることになると警鐘を鳴らした。

モスクワ国立大学国際政治学部国際安全保障学科のアレクセイ・フェネンコ助教授は、

「米国、豪州、日本、インドはおそらく代替的なインフラプロジェクトの実現のための資金源を見つけ、政治的意思を発揮することができるだろう。
それはこの4国は中国の影響拡大に対する共通した恐怖感で結びついているからだ。
総じてみると米国は中国いたずらにいらだたせることを望んでおらず、『ライバルの計画』ではなく、『オータナティブな計画』というタームを使うことを提案している」と語っている。

戦略開発センターの専門家のアントン・ツヴェトフ氏だ。ツヴェトフ氏は、

こうしたプロジェクトは「簡単に飛んでなくなることはない。その理由はまず、4か国のビジネスと国の関係は中国のそれとは全く異なるからだ。
だが4か国は、インフラ投資をもらう側だが、中国からの資金に完全に依拠することは望んでおらず、投資の資金源を多角化しようとするだろう」との見方を示している。

アジア太平洋調査センターの学術研究員、クリスチーナ・ヴォダ氏は

新プロジェクトは実現化されるチャンスがあるとして、次のように語っている。
「プランは4か国の相互発展として形成されている。だが今のところこれは、プロパガンダ的効果により大きく働きかけている。
それがどれだけ長く続いていき、発展していくかは現段階では何とも言い難い。なぜならプロジェクトの枠は今、描かれようとしている段階だからだ。
これらの国の経済規模はあまりにも違いがありすぎる。たとえばインドにどんな役割がふられるのか、様々なインフラプロジェクトの資金繰りにどう参加できるのかも不確かだ。
現段階で諸国間にはあまりも多くの矛盾がある。中国に対する関係もそのひとつだ。豪州は中国とはかなり深い関係を結んでおり、それにひびを入れることは明らかに望んでいない。
概念上はプロジェクトは実現化のチャンスをはらんでいる。このストラクチャーには需要があるし、場所も全員に十分にあると思う。」

https://jp.sputniknews.com/opinion/201802284621671/