新卒採用が本格化する時期に合わせ、ソフトウエア開発会社「フェンリル」(大阪市北区)は、仮想現実(VR)のゲームを取り入れたユニークな選考を導入している。ゲームを通して自社の理念を伝え、入社後の価値観のずれをなくしたりするのが狙いだ。

VRゲームは、参加が任意の「0次選考」として実施。就活情報サイト「マイナビ」で同社にエントリーすると、会社資料とともに紙製のゴーグルを入手できる。ゲームアプリを手持ちのスマホにダウンロードした後、ゴーグルで操作できる。

 ゲーム内容は「脱出ゲーム」のような仕立て。オリジナルキャラクター「F−BOT(えふぼっと)くん」を操作して謎を解く。全ての課題を終えると、専用のネットサイトでクリア証明書がダウンロードできる。「証明書があると通常の選考に有利になるかも」と同社担当者。

 ステージの中には、同社がこだわる「ユーザーの視点を持つ」「1ピクセルまで極める」などが書かれているものもあり、体験を通して同社への理解が深められるという。同社にとっては、好奇心があり、課題解決能力の高い学生を見つけるのに役立つとみている。

 企画担当者の小川俊介さん(36)は「デザイン性に富んだVR空間で数々の仕掛けを解きながら、フェンリルの理念に触れてほしい」と呼び掛けている。


大阪日日新聞 2018年3月6日
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/180306/20180306029.html