韓国で、日本を叩く政治家は強い指導者とされ、国民の支持を集めます。
このようなポピュリズム的政治手法が、今日に至るまで常態化しています。
直近では、2015年の日韓外相会談によって、日韓合意が結ばれました。
これは慰安婦問題の「最終かつ不可逆的な解決」を示したものですが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2017年の12月、「政府間の公の約束であっても、大統領として、この合意で慰安婦問題が解決できないことを改めて明確にする」と表明しました。

■「善意」の判断が招くリスク

政治の世界において、だます方が悪いのでしょうか、だまされる方が悪いのでしょうか。
対話を繰り返して、相手が図に乗り、無理難題を吹っ掛けてきたとき、さらに感情悪化が募り、双方の溝が深まるリスクがあります。
誰がそのリスクの責任を取るのでしょうか。

「恩を仇で返す」ことをされた時、人は最も怒りを感じます。
「対話を重視する」という善意から先方の無理な要求を受け入れ続けた結果、むしろ事態が悪化するリスクについて、私たちは意識的でなければならないと思います。
16世紀、イタリア・ルネサンス時代の政治思想家マキャベリはこう言っています。
「人を率いていくほどの者ならば、常に考慮しておくべきことの一つは、人の恨みは悪行からだけではなく善行からも生まれるということである。
心からの善意で為されたことが、しばしば結果としては悪を生み、それによって人の恨みを買うことが少なくないからである」(『君主論』より(※2))

(※1)朝日新聞 1995年11月17日朝刊。
(※2)塩野七生著『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫)
【国際化】対馬市に民団が支部設置へ (民団=在日本大韓民国民団は、日本で暮らす在日韓国人を支援する団体です)★3