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https://mainichi.jp/articles/20180313/dde/041/040/026000c

ツイッター
デマ拡散6倍速 驚きや恐れが共有求める 米研究
毎日新聞 2018年3月13日 東京夕刊


 米マサチューセッツ工科大の研究チームは、短文投稿サイト「ツイッター」で発信された情報約12万6000件を分析し、デマは真実より1・7倍もリツイート(転載)され、6倍速く一定の拡散数に達していたとの調査結果を米科学誌サイエンスに発表した。
偽情報は目新しく感じられ、接した人が驚きや恐れ、嫌悪感などを抱き情報の共有を求めがちになるとみられる。
研究者は「デマの流布に関する心理解明につながる」と話している。

 チームは2006〜17年の英文投稿のうち、延べ300万人が計450万回以上話題にしたニュース、うわさ、主張など計約12万6000件を分析。
独立した六つのファクトチェック団体の判定に基づいて真偽を分類、それぞれの情報が拡散した様子を追跡した。

 その結果、デマがリツイートされた割合は、利用歴やフォロワー数に関わらず、真実の1・7倍だった。
1500人が拡散するまでの時間は真実の6分の1だった。無作為抽出した書き込みも解析。
デマには驚きや恐れなどの感情を表す割合が高かった。
一方、真実へは悲しみや不安、喜び、信頼などを示す傾向が見られたという。

 広がりやすいデマの分野は、政治▽都市伝説▽ビジネス▽テロと戦争▽科学技術▽エンターテインメント▽自然災害−−の順。【阿部周一】