3月12日 4時11分福島第一

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う除染で、福島県以外の東北と関東の7つの県で取り除いた土は、処分の基準がないため、今も公園や校庭などに保管されたままになっています。環境省は年内にも基準を作り、埋め立て処分を急ぐとともに、土の再生利用についても検討することにしています。

7年前の原発事故に伴う除染は、福島、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉の合わせて8つの県で行われてきました。

環境省によりますと、このうち、福島県以外の7つの県の除染で取り除いた土の量は合わせておよそ33万3000立方メートルで、処分に関する国の基準がないため、公園や校庭など2万8000か所余りに保管されたままになっています。

環境省は来月以降、茨城県東海村と栃木県那須町で、土を地中に埋めて周辺の放射線量などを測定する実証事業を行い、安全性を確認したうえで年内にも基準を作り、埋め立て処分を急ぐ方針です。

さらに、保管されている土に含まれる放射性物質の濃度が比較的低いため、環境省は、埋め立てる量の削減に向けて、土を建設資材などとして再生利用することができないか検討することにしています。

県別の除染土保管量

環境省によりますと、原発事故のあと、福島県以外の東北と関東の7つの県の除染で出た土の量を県別に見ますと、栃木県では2万3997か所に11万987立方メートル、千葉県では1631か所に10万1149立方メートル、茨城県では1035か所に5万4154立方メートル、宮城県では149か所に2万8694立方メートル、岩手県では312か所に2万6460立方メートル、埼玉県では48か所に7284立方メートル、群馬県では783か所に4602立方メートルが保管されています。

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