●「豚まん」がバッシングを受ける背景

新幹線が開通する2年前の1962年、読売新聞に「乗りもののエチケット」という記事が出た。そこには電車内で守るべきものとして、
以下のようなマナーが紹介されている。

「駅弁のうわ紙やヒモはとっておいて、すんだらもとのようにつつんでゆわえてからイスの下にいれる(中略)ご飯粒のついた折り箱や、
食べ散らかしたおかずをいつまでも見せられているのは周囲のお客にとってはやりきれないものです」(読売新聞 1962年8月9日)

食べるのけしからんとか臭いが不快だというのではなく、食べた後にちゃんと片付けなさいよ、と苦言を呈しているのだ。鉄道と食事は切っても切れない関係だった。

それは日本が遅れているというわけでもない。フランスのTGVなど海外の高速鉄道でも当たり前のようにみな座席で、持ち込んだ食事をしている。

過去も当たり前のように食事をしている。海外でも特に問題なく食べている。にもかかわらず、なぜ現代日本でここまで「新幹線の豚まん」がバッシングを受けるのか。

これまでの約25年間に、特に大きなトラブルもなかったし、喫煙のようにWHOが健康被害の危険性を唱えているわけでもない。
それがなぜこのタイミングで「非常識な行為」とされてしまったのか。

個人的には、近年の日本社会の「空気」と無関係ではないと考えている。

日本労働組合総連合会が昨年12月に公表した「消費者行動に関する実態調査」によると、一般消費者1000人のうち約4割が商品や
サービスに対してクレーム経験があり、50代になるとさらに増えて半数以上になっている。

また、いわゆる「悪質クレーム」に関しても、この近年ひどくなった、と一般消費者の49.8%、接客業務従事者の56.4%が感じている。

つまり、正論にしろ言いがかりにしろ、「クレーマー大国」となっている現状が浮かび上がっているのだ。こういう社会は一言で言うと、「キレたもん勝ち社会」である。

例えば、歴史的経緯からみても常識の範囲内のことであっても、「オレが非常識だと言ってんだから非常識なんだよ!」と怒鳴る方があらわれれば、
声が大きいほうの主張が通ってしまう。それが「お客様」という立場ならば、なおさらだ。

●「551蓬莱」が消えるのも時間の問題

少し前、バラエティ番組『人志松本のすべらない話』(フジテレビ)を見ていたら、オードリーの春日俊彰さんが、新幹線の車内で「豚まん」を食べていたら、
隣の席にいた女性から「あんた、いい加減にしなさいよ!」と罵声を浴びせられたというエピソードを話していた。

お笑い芸人さんなので多少の脚色はあるかもしれないが、新幹線の車内で「豚まん」を食べることは、赤の他人からののしられるほどの「罪」となっているのだ。
このような「お客様の声」は当然、JR東海の方にもわんさかと押し寄せられているに違いない。

「たこ焼き」が消えた今、「551蓬莱」が消えるのも時間の問題だ。最近では、隣で酒を飲まれると、臭いが漂ってきて不愉快だという人が出てきたそうだ。

出張族のおじさんたちは、新大阪駅からの帰りにFRISK(フリスク)とミネラルウオーターでやりすごせるように、徐々に体を慣らしていったほうがいいかもしれない。


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1が建った時刻:2018/03/13(火) 10:53:36.68