トランプ氏、大統領令でブロードコムによる米クアルコム買収を阻止
https://jp.reuters.com/article/trump-broadcom-idJPKCN1GO2VH

[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米大統領は12日、シンガポール半導体大手ブロードコム(AVGO.O)が提案している米クアルコム(QCOM.O)買収について、
国家安全保障上の観点から禁止する命令を発出した。

 3月12日、トランプ米大統領(写真)は、シンガポール半導体大手ブロードコムが提案している米クアルコム買収について、
国家安全保障上の観点から禁止する命令を発出した。米ペンシルベニア州で10日撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

ブロードコムはクアルコムに1170億ドルで買収を提案。実現すればテクノロジー業界で過去最大の買収になるとみられていた。
買収提案は、米財務省が主導する対米外国投資委員会(CFIUS)が調査を進めていた。

大統領令は「買収者(ブロードコム)が提案したクアルコム買収は禁じられ、実質的に同様のいかなる合併、買収も禁じられる」と表明。
クアルコムを支配したブロードコムが「米国の国家安全保障を損なう恐れがある行動を取る可能性」をトランプ大統領が信じるに至る「確かな証拠」があると指摘した。

米大統領がCFIUSの異議に基づいて買収を阻止したのは5件目。トランプ氏としては就任以来2件目となる。

大統領令に先立ち、CFIUSはブロードコムに宛てた11日付の書簡で「国家安全保障上の懸念が裏付けられた」と指摘していた。

半導体業界は第5世代(5G)無線技術用の半導体開発を急いでいる。クアルコムは、
この分野でシェア獲得を狙う華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]など中国企業に対する最大の競合社の1つで、米国にとって貴重な資産となっている。