大阪府は2016年度に府内で起きた高齢者虐待の状況を発表した。福祉施設の従事者などによる虐待が45件(計76人)あり、前年度に比べて11件増えた。虐待の種別では身体的虐待が最も多く、要介護状態の区分が重い高齢者ほど被害が多く発生していた。

 虐待の種別(重複あり)では、身体的64人▽心理的13人▽経済的、性的各3人▽介護等放棄1人−だった。

 虐待を受けた高齢者を要介護状態別に見ると、最も重い「要介護5」が最多の34・2%。認知症日常生活自立度別では、生活に支障があり介護を必要とする「自立度III」の区分が最多の36・8%だった。

 被害が確認された施設の内訳は、認知症のある入所者が共同で生活するグループホームが13件と最多で、次いで「特別養護老人ホーム」9件、「有料老人ホーム(介護付き)」6件などと続いた。

 家族や親族などによる虐待は、1356件(計1390人)で前年度に比べて78件減少したが、12年度以降は1400件超で推移しており、依然として高止まりの状態が続いている。



大阪日日新聞 2018年3月14日
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/180314/20180314039.html