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3月19日 18時26分
18日夜、兵庫県明石市の沖でブイと接触事故を起こし19時間余りにわたって現場に停泊し続けたフェリーは、19日午後、自力で引き返し、午後6時前に大阪南港に到着しました。乗客乗員およそ500人にけがなどはありませんでした。

このフェリーは、名門大洋フェリーが運航する「フェリーふくおか2」で、18日午後5時に大阪南港を出て、19日朝、北九州市の新門司港に到着する予定でした。

ところが、18日午後7時半ごろ、兵庫県明石市の沖およそ6キロの明石海峡の近くで、浅瀬を示す、高さ10メートル余りのブイに接触する事故を起こし、現場で停泊を続けていました。

船のスクリューにはブイの一部が絡まっていましたが、その後、取り除かれ、19時間余りたった19日午後3時ごろようやく自力で動き出して大阪南港へ引き返しました。

フェリーは午後6時前に港に到着し、乗客たちは次々とターミナルビルに入っていきました。

乗客乗員およそ500人にけがはなく、体調を崩した人もいませんでした。

神戸海上保安部などによりますと、当時、フェリーでは急病の患者が出て、救助に来た海上保安庁の船に移動させようとした際、いかりを下ろさなかったため潮に流されてブイに接触したということです。

国の運輸安全委員会は調査官を現地に派遣し、詳しい原因を調べることにしています。

「早く帰りたい」

フェリーは大阪南港のフェリー乗り場に午後5時40分すぎに到着しました。

乗り場では、フェリーを運航する「名門大洋フェリー」が臨時の窓口を設置し、チケットの払い戻しに応じるなど対応に追われていました。

大阪に観光に来ていて自宅に帰る途中だった福岡県久留米市の20代の女性は「甲板から船がブイにぶつかるのを目撃してとても怖かったです。疲れたので早く帰りたいです」と話していました。

また、友達と九州に卒業旅行に行く途中だった20代の男子学生は「乗客はみな慌てた様子はなく、朝食や昼食は無料でふるまわれました。まさか25時間経って、もとの場所に戻ってくるとは思っていませんでした」と話していました。

大阪に遠征にきていたソフトボール部の女子大学生は「本来なら、けさ福岡に戻り、先輩の卒業式に出席する予定だったのに間に合わなくて残念です」と話していました。

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