大阪府門真市は「ふるさと納税」の返礼品のメニューに、日本郵便が手掛ける高齢者の見守りサービスを加えた。独居高齢者が増え続けるという同市特有の事情を念頭に置いた取り組みでもあり、選択肢を広げることで福祉サービスの向上と、寄付に伴う歳入増の両面で大きな期待を寄せている。

ふるさと納税に日本郵便のサービスを活用するのは、山形や岡山県内などで実施例があるものの近畿地区では初めてとなる。

導入したのは全国各地にネットワークがある日本郵便が、昨年10月に始めた有料サービス。郵便局員が月に1度、利用者の自宅を訪問して生活状況を最大10項目で確認する「みまもり訪問」と、毎日決まった時間に電話で体調確認をする「みまもりでんわ」の二つで構成する。ともに家族などの指定先へ電子メールで報告する。

同市は「家族に感謝の気持ちを伝え、生まれ育ったまちを応援する環境づくりにつなげたい」とし、宮本一孝市長と日本郵便の矢崎敏幸近畿支社長が20日、同市役所で協定書に署名した。

宮本市長は「独居高齢者が多い門真市で、地域に優しい手を差し伸べるつながりをともにつくっていきたい」。矢崎支社長は「トータル生活サポート企業として、市民の安心・安全に貢献したい」とあいさつした。

2015年の国勢調査によると、同市の高齢者独居世帯の割合は15・2%で、府の13・3%、全国平均の11・1%を上回っている。

寄付のメニューとしては、それぞれ6カ月、1年の2コースから選択が可能。訪問サービスは5万5千円、電話サービスは固定電話が2万5千円、携帯電話は3万円(いずれも6カ月の代金)。ふるさと納税を仲介するポータルサイト「ふるさとチョイス」で、21日から申し込みを受け付ける。

同市は、ふるさと納税の返礼品として、昨年12月に「タイガー魔法瓶」のステンレスボトルや、「海洋堂」のウルトラマンフィギュアなど、市内に本社を置く企業の主力商品を加え従来の約10倍の108品目にした。16年度は152件計694万円だった寄付金が、本年度は今年2月末までに426件計1076万円に上っている。



大阪日日新聞 2018年3月21日
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/180321/20180321029.html