https://jp.reuters.com/article/britain-russia-stockpiles-idJPKBN1GW0N6

2018年3月22日 / 03:20 / 13時間前更新
[モスクワ/アムステルダム 14日 ロイター] - 元スパイのセルゲイ・スクリパリ氏を今月、神経剤で毒殺しようとしたのはロシアだと英国政府が発表。化学兵器専門家の大半もこの主張に賛同するが、別の説明も排除できないとの声も上がっている。

それはつまり、ロシア国家のために動いているわけではない人々が問題の神経剤を入手していた、という可能性だ。

ソ連の化学兵器開発計画は、冷戦終結後に大きな混乱に陥り、当時この計画に関与していた人々によれば、一部の有毒物質やノウハウが犯罪者の手に渡った可能性があるという。

「誰かが密かに持ち出すことができただろうか」と生物・化学兵器の専門家エイミー・スミスソン氏は問う。「その可能性はもちろん否定できない。少量であれば、そして1990年代初頭のロシア化学兵器関連施設のセキュリティの甘さを考えれば、なおさらだ」

神経剤は時間の経過とともに劣化するが、1990年代初頭に神経剤の材料となる成分を密かに持ち出し、適切な条件の下で保管したものを最近調合したのであれば、小規模攻撃において、今なお致死性を発揮できる、と2人の化学兵器専門家がロイターに語った。

66歳のスクリパリ氏と娘のユリアさん(33)は、4日、ソールズベリー市内のベンチで意識を失っている状態で発見され、現在も重体で入院中だ。警官1人も毒物の影響を受け、なお重症だという。

メイ英首相は14日、「スクリパリ父娘の殺害未遂について、また他の英国市民の生命を脅かしたことに関して、ロシア国家が関与していると結論せざるを得ない」と述べた。

ロシアは神経剤による攻撃への関与を一切否定している。
(リンク先に続きあり)