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2018年03月21日 06時00分

 これで「あおり運転」も怖くない?! 日田市で料理店を営む香川良海さん(70)は、イライラ解消装置「音声(怒声)出力器」の商品化に挑んでいる。運転中にストレスを感じたときにボタンを押すと「ビャッキャロ(バカ野郎)」と音声を発生、イライラを解消してくれるという。

 香川さんは、高速道路であおられ、しばらく怒りで正常な運転ができなかった体験から考案した。2010年に特許を取り、地元高校の協力を得て試作。個人的なつてで中国の電機メーカーなどで改良してきた。装置は幅15センチ。ダッシュボードに設置し、シガーソケットの電源や電池で動く。ボタンを押せば入力した音声を発し、押した回数をデジタル表示する。

 昨年6月、神奈川県の東名高速道路で夫婦が死亡した事故で「あおり運転」が社会問題化した。九州大大学院の志堂寺和則教授(交通心理学)によると「車は顔が見えないことから匿名性が高く、気が大きくなる人もいる」という。

 日本アンガーマネジメント協会(東京)によると、怒りのピークは最長6秒といい「『大丈夫』など自分を落ち着かせる言葉を見つけて繰り返し発すると、怒りを制御できる」という。

 「自分の声を聞くと、客観的になれて負の連鎖を断ち切れる」と香川さん。子どもの声で「事故せず帰ってきてね」など、いろんな音声を流すことも可能だ。耐久性など改良を重ね、玩具会社などに商品化を提案するという。

=2018/03/21付 西日本新聞朝刊=

イライラ解消装置「音声(怒声)出力器」の商品化を目指す香川良海さん
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