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2018/03/28
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が英下院デジタル・文化・メディア・スポーツ(DCMS)委員会の召喚に応じないと決めたことについて、委員会のデイミアン・コリンズ委員長は27日、「驚くべきことだ」と述べ、「再考」を促した。

フェイスブックと英データ分析会社のケンブリッジ・アナリティカは、個人データの収集に関する騒動の中心にある。
ザッカーバーグ氏は「背信行為」を謝罪したが、英下院の調査委員会には出席しないと語った。

同氏は自身の代わりに、フェイスブックで最高製品責任者を務めるクリス・コックス氏を、英下院での証言に出席させる。委員会は4月16日に終わるイースター休暇後、最初の週に開かれる予定。

コリンズ委員長は、「私たちはきょう、とんでもない情報を耳にした。マーク・ザッカーバーグ氏が自ら質問を受ける意思がないのは、非常に驚くべきことだ」と語った。
「フェイスブックの利用者、そして私たちの調査にとって、根本的に重要で関係が深い疑問点がある」
「ザッカーバーグ氏に再考を求めるだろうことは疑いようがない。彼が自社サービスを利用する人々への心遣いが少しでもあるなら応じるはずだと」

フェイスブックは、コックス氏について「委員会の質問に答えるのに適任」だとしている。
先週末、ザッカーバーグ氏は複数の米国と英国の新聞に全面広告を出し、ケンブリッジ・アナリティカによってなされた数千万ユーザー分のデータ利用を止めるためにフェイスブックにはもっとできることがあったとした。

DCMS委員会は27日、欧州連合(EU)離脱派の「不正」がなければ英国はブレグジットを選ばなかったかもしれないと主張する、ケンブリッジ・アナリティカの元従業員クリストファー・ワイリー氏から聴取した。
ワイリー氏は、ケンブリッジ・アナリティカに関連するカナダの会社「アグリゲイトIQ」が、EU離脱派の団体「ボート・リーブ」から資金提供を受け、国民投票の結果に「とても重要な役割」を果たしたと委員会に語った。

このほかのワイリー氏の主張は以下の通り――。

・ワイリー氏の前任者は、「契約が不調に終わった」後、ケニアのホテルにおいて不審な状況下で死亡した
・ボート・リーブや他のブレグジット支持団体は協働しており、(法律で定められた)支出限度を回避する「共通計画」を持っていた
・ケンブリッジ・アナリティカはブレグジット支持団体「リーブ・ドット・EU」のために働いていた。また、同社の「フランチャイズ」であるアグリゲイトIQはボート・リーブに雇われていた
・アグリゲイトIQが所有していたデータは、国民投票における選挙活動の対象を500万人から700万人に絞るために使われた
・アグリゲイトIQは、対象のうち5%から7%の人が特定の投票行動を取るようにさせる「顧客転換率」を持っていたと語った
・ワイリー氏の主張は1週間以上前に、英紙オブザーバーに初めて掲載された。同氏は、2014年に公開された性格診断クイズを通じて、フェイスブックユーザー5000万人分の詳細情報をケンブリッジ・アナリティカが収集したと告発している。

同氏は、27万人がクイズに回答し、主として米国に住む約5000万ユーザー分のデータが、友人ネットワークを経由して、はっきりとした同意なしに収集されたと語っている。
同氏によると、データはケンブリッジ・アナリティカに売却され、ユーザーの心理学的な輪郭を描き出すとともに、彼らに親トランプ氏的な素材を送り届け、トランプ氏の大統領選陣営を支援するのに利用されたという。

ワイリー氏は元上司であるケンブリッジ・アナリティカのアレクサンダー・ニックスCEOを、政治やテクノロジー分野での経験に欠くが裕福なセールスマンだと表現した。
DCMS委員会でワイリー氏は、ニックス氏が「20万ポンド(約3000万円)のシャンデリアを受け取る」ため、予定に遅れたことがあったと語った。

ケンブリッジ・アナリティカはワイリー氏が委員会に「自身のことも会社のことも偽って伝えた」と主張した。
同社によるとワイリー氏は「パートタイム契約者」であり、同社で1年も働かないまま2014年7月に会社を去ったという。
ワイリー氏は「退職した2014年7月以降、会社の業務や慣行に関する直接の知識を持たない」と同社は述べた。
(リンク先に続きあり)
(英語記事 Data row: Facebook's Zuckerberg will not appear before MPs)