女帝メルケルついに没落…EU最強国家ドイツに起こった「異変」の真相

崩れるのは本当に一瞬だった

3月4日、総選挙後、5ヵ月以上もかかって、ドイツにようやく新政権が発足した。
CDU(キリスト教民主同盟)の第4期メルケル政権である。

選挙前はメルケル楽勝と言われ、第3期と同じくSPD(社民党)との大連立が続くと予想
されていたが、ふたを開けてみたら、CDUもSPDも最低の支持率まで落ち込んでいた。

この結果に衝撃を受けたSPDは選挙当日の夜に、大連立には加わらず、野に下ると宣言。
まさにそのときドイツの組閣をめぐる迷走が始まった。

とはいえこの時点で、女帝とまで言われていたメルケルがSPD抜きの連立交渉に失敗し、
5ヵ月以上も政治の空白期間を作るなどということを、誰が想像しただろう。

そして、最終的には、SPDの心変わりによる大連立の復活。EUの覇者ドイツには、間違い
なく異変が起こっている。

彼女のウィークポイントは難民政策とエネルギー政策だ。この二つは言うまでもなく、メルケル首相が
独断で断行した政策で、どちらもが基本法(憲法に相当)、あるいはその他の法律や国際協定
に違反している疑いが濃厚だ。しかも、将来何十年にもわたり、ドイツ経済に多大なマイナス効果
を与え続ける。

難民問題は、すでに批判がどうしようもないほど高まっており、それが選挙で大量に票を失った原因
となった。

今回ようやくまとまったメルケル政権は、実は、最初からかなり弱体化している。第1党と第2党の連立
ということで、一応「大連立」と呼んではいるが、最新のアンケート調査によれば、現在の「大連立」の
支持率は、過半数を割っている。

以下略

川口 マーン 惠美