0001みつを ★
2018/03/30(金) 00:11:33.10ID:CAP_USER9【3月29日 AFP】カメルーンで自由を勝ち取るには銃を取るしかない。ビクター・オビさん(25、仮名)は生まれて初めてそう信じるようになった。「死にたくはないが、独立なしにわれわれに未来はない。そして、やつらが独立を与えることはない」
オビさんのふるさとで、当局は英語圏独立派を弾圧した。オビさんは、そこから数キロしか離れていないナイジェリアの小さな村で野営生活を送っている。「やつらは私のきょうだいを2人殺した」。声に激しい憎しみがにじむ。「もう失うものはない」
昨年12月、オビさんのふるさとカジフ(Kajifu)村周辺の深い森に分離独立派の大規模な訓練キャンプがあるとして兵士らが村を襲い、分離独立派と見なした人たちに向けて無差別に発砲したという。
カジフはカメルーンの英語圏2州のうち1州に位置する。英語圏は、フランス語を話し同国で支配的な地位を占めるエリート層からの独立を追求してきた。
昨年10月1日、分離独立派は英語圏2州が「アンバゾニア(Ambazonia)」という共和国として独立したと一方的に宣言。カメルーン総人口の約5分の1を占める少数派の英語話者にとって一つの転機となった。
カメルーンのポール・ビヤ(Paul Biya)大統領は、反体制派を根絶すべく戦闘ヘリと装甲車両を伴う軍部隊を派遣。数万人の住民が隣国ナイジェリアに避難した。
AFPの集計で今年2月半ばまでに少なくとも26人の兵士が死亡した。非政府組織(NGO)や独立系メディアの現地入りが禁じられており、民間人の死者数は明らかになっていない。
■多くの英語話者が過激化
アンバゾニアの指導部は、あくまで平和的な闘争をしているとして武装勢力との関わりを否定しているが、政府当局者への襲撃は増えている。
独立系シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」の推定によると、主な武装勢力は「アンバゾニア防衛軍(ADF)」など4組織で戦闘員の規模は合わせて300人以上。この他にはるかに規模は小さいが暴力的な10の分派が存在する。
一つだけ確かなのは、政府による弾圧によって、これまで社会で疎外されていると感じながら政治に関心を持っていなかった農業従事者や管理職層を含む多くの英語話者が過激化してしまったということだ。
武装勢力に近い筋によると、武装勢力はエリトリアの独立闘争や南アフリカの故ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の反アパルトヘイト運動を参考にしているという。
戦闘員の武器は自家製のライフルが多いが、カラシニコフ銃や手りゅう弾、簡易爆発装置を持っている者もいる。数は少ないが、警察署から奪った高性能の武器を持っている場合もある。
暴力が一気に激化する兆しを見て取った数千人の人たちが、国境のすぐ先にあるナイジェリアの町イコム(Ikom)に避難した。
■黒魔術
これまでに存在が確認された戦闘員養成キャンプはないが、AFPの取材では、避難してきた若者が戦いに備えて黒魔術を行っているのを見たと語った人が複数いた。
「ジュジュ」と呼ばれる呪術の儀式に参加したというあるナイジェリア兵は、少人数で集まった若者たちが額に切り傷をつけ、出血した傷口を「魔法の薬」でこすっていたと語った。こうすることによって無敵になるのだという。
ナイジェリアは、国内にこういった勢力が存在することに懸念を強めている。イコムの入国管理当局の責任者は「避難者の中に武装勢力の戦闘員が多数紛れ込んでおり、森を通って意のままに国境を越えている」と語った。「彼らはカメルーン軍に攻撃を仕掛けナイジェリア領内に戻ってくる。足取りをたどるのはほどんど不可能だ」 (c)AFP/Célia LEBUR