あおり運転などが問題となるなか、静岡県警が新東名高速でヘリコプターを使った取り締まりを始めた。対象は、全国で初めて最高速度を時速110キロに引き上げている約50キロの区間で、上空からの「目」を使って危険な運転を抑止する。

 県警がヘリを使って取り締まっているのは、新静岡インターチェンジ(IC)―森掛川IC間。昨年11月から最高速度が試行的に110キロに引き上げられたが、大型トラックは80キロに据え置かれたまま。速度差が拡大することで事故の増加や、道路交通法上の車間距離不保持(あおり運転)、大型トラックの指定通行帯違反などが懸念されている。

 県警高速隊と航空隊が合同で行う取り締まりでは、ヘリが上空からの視野を生かして車間距離などを確認し、違反が疑われる車両があった場合にはパーキングエリアなどで待機するパトカーに無線で連絡。現場に駆けつけたパトカーが対象車両への指導や検挙を行う。ヘリに備え付けたカメラで走行中の車両の様子を撮影することもできる。1月29日と2月14日に実施し、約1時間ずつの飛行で速度超過や通行帯違反など計3件を検挙した。

 常に取り締まっているわけではないが、目的は検挙実績を上げることよりも抑止効果という。県警高速隊の望月敏行副隊長は「上空からも見られているとドライバーに認識してもらい、安全運転の意識を高めたい」と話す。今後も高速道路の交通量が増える行楽シーズンなどに実施していく方針だ。(仲川明里)
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20180330000792_comm.jpg
https://www.asahi.com/articles/ASL3Z2VPXL3ZUTIL002.html?iref=sptop_8_01