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就職活動で学生有利の「売り手市場」が続く中、兵庫県警は2018年度の警察官採用試験の方針を大幅に見直した。筆記試験で受験者が問題を選べる方式を導入し、身長・体重の体格基準も撤廃。募集パンフレットではツーリングやゴルフなどを楽しむ警察官の「オフ」の姿を写真付きで紹介し、首都圏でのPRにも乗り出した。背景には「仕事が過酷」といったイメージから志望者が年々減り、近隣の府県警とも人材確保でしのぎを削る状況がある。(安藤文暁)

 兵庫県警の警察官受験者数(高卒・大卒)は、1万人を超えた03年度をピークに下降傾向に入り、11年度以降は4千人前後に低迷。17年度は7年ぶりに試験を年2回から3回に増やしたが、受験者は2916人と、3千人を割り込んだ。

 採用実績も深刻だ。16年度は募集数580人に対し筆記や面接、腕立て伏せなどの体力検査をクリアした合格者は556人で、合格後の辞退者も174人いた。こうした採用の“定員割れ”は11年連続で、県条例で定めた警察官の総定員も、昨年4月現在で約210人の欠員が生じている。

 「『危険、きつい、帰れない』という3Kの印象がある。合格しても併願した企業や消防に行く人が多い」と県警幹部。兵庫を含め全国でパワハラによる処分なども後を絶たないが、「人事システムをはじめ環境は改善している」と説明する。有給休暇の平均取得日数がここ3年で、年間5日から9日に増えたことなど意識改革を強調する。

 警察間の採用競争も激しい。兵庫県警の16年度試験の競争倍率は5・7倍。近畿2府4県では京都府警(6・6倍)に次ぐ高さだったが、他府県も工夫を凝らす。大阪府警は16年度から他府県と試験日をずらし、警察併願者の取り込みを狙う。京都府警は、出身校の後輩を勧誘する「リクルーター」を各署に配置し、ホームページで紹介する。

 兵庫は今期、募集パンフレットを一新した。若手警察官が笑顔を見せる「オフ」、きりっとした表情で働く「オン」の写真を載せ、ワークライフバランスをPR。元漫画家アシスタントや元消防士などの転職組も「経験を生かせる」と登場する。

 教養試験は50問中40問を選んで解答する方式にし、優れたスポーツ歴があれば加点する。首都圏での活動にも力を入れ始め、3月2日に初参加した東京での警察合同説明会には機動隊や音楽隊など多彩な制服姿の担当者が「暴力団の本拠地がそろう兵庫で大きな悪と戦おう」「旧五国の多様な魅力があり住んでよし、働いてよし」と呼び掛けた。

 1回目試験の応募締め切りは4月9日。県警採用センター・フリーダイヤル※電話番号はソース先を確認

3/31(土) 13:05
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