ロシアが新型衛星攻撃ミサイルの実験に成功 米国防総省、警戒を強める
2018.4.6 09:04
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180406/mcb1804060904022-n1.htm

 【ワシントン=黒瀬悦成】米紙ワシントン・タイムズ(5日付)と外交専門誌「ディプロマット」(電子版)は、ロシアが先月26日、人工衛星攻撃のための新型ミサイルの発射実験に成功したと報じた。米国防総省は、ロシアが宇宙空間での優位確立に向けた衛星攻撃兵器(ASAT)の開発を進展させたことを示すものだとして警戒を強めている。
 米国防当局者が同紙などに語ったところでは、ミサイルはPL19「ヌードル」と呼ばれ、モスクワの北西約240キロにあるプレセツク宇宙基地に配置された移動式発射車両から打ち上げられた。宇宙空間での標的の破壊は行われなかったとみられる。同ミサイルの発射実験は今回を含め6回行われ、うち4回は成功したとされる。
 米軍は部隊同士の通信や位置測定、偵察活動など多岐にわたる分野で人工衛星に依存。コーツ国家情報長官は今年2月、「ロシアと中国が米軍および同盟諸国軍の能力を低下させるためASATの開発を進めている」と警告していた。
 中国に関しては今年2月、衛星攻撃能力を兼ね備えた中距離弾道ミサイル迎撃システム「DN3」の発射実験に成功している。
 米国防総省は、今月中にも公表する報告書「ミサイル防衛の見直し」で中露のASATの脅威について強調する見通しだ。