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4月8日 12時00分
四国と本州を結ぶ瀬戸大橋が開通して10日で30年になるのを前に、8日、橋が架かる香川県坂出市の与島で記念の式典が開かれました。

香川県と岡山県を結ぶ瀬戸大橋は、瀬戸内海をおよそ10キロにまたぐ道路と鉄道の併用橋で、昭和63年4月10日に開通し、10日で30年を迎えます。

8日は、橋が架かる香川県坂出市の与島にあるパーキングエリアで開通30周年を記念する式典が開かれ、香川・岡山両県の関係者や地元の住民などおよそ550人が出席しました。

式では岡山県の伊原木知事が「瀬戸大橋は社会、経済活動や新たな観光ルートの創造に欠くことのできない重要基盤だ」と述べました。
また、香川県の浜田知事は「四国と本州を結ぶ重要な交通基盤として中国、四国地域の発展に大きく寄与してきた」と橋がもたらした効用を高く評価しました。

瀬戸大橋は当時の最新技術を使ってつくられ、道路と鉄道の併用橋では世界最大級の規模です。
橋を利用した自動車の数は平成29年度は、およそ822万台と3年連続で過去最高を更新しました。
これにより開通から先月末までで橋の通行量はおよそ1億7000万台となり、瀬戸大橋はこの30年で交流人口の拡大や物流の活性化など四国の経済などに大きな変化をもたらしました。

通行量増加の転機は「値下げ」

瀬戸大橋が開通した昭和63年度の車の通行量はおよそ385万台で、当初の計画の半分にも達しませんでした。
橋の建設に多額の費用がかかったことから通行料金が一般の高速道路よりも割高となり、それがネックとなって通行量が伸び悩みました。

転機となったのは平成21年。ETCの利用で休日の通行料金がそれまでのおよそ6分の1の1000円となり、平成21年度の通行量はおよそ750万台で、前の年度の1.4倍に増えました。

この制度は2年余りで廃止されましたが、その後も休日割り引きなど、通行料金の見直しを行った結果、昨年度はおよそ822万台となり、3年連続で過去最高を更新しました。

課題は橋の「老朽化」

瀬戸大橋は海に架かっていることから通常の橋と比べて「さび」が発生しやすいなど劣化が速いうえ、点検や補修も念入りに行わなければなりません。
橋を管理する会社では、橋の劣化を早期に発見する技術を開発し、日々、メンテナンスに務めています。

しかし、橋の維持や管理費は陸上の高速道路に比べて多額の費用がかかるうえ、今後、人口減少で料金収入も見込めなくなると予想されることから、老朽化対策の費用をどう捻出していくかも課題となっています。

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