https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180409/k10011395881000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001

4月9日 8時03分
ヨーロッパ中部のハンガリーで議会選挙が行われ、「反難民・移民」を掲げEU=ヨーロッパ連合にも反発してきたオルバン首相の与党が、改選前を上回る議席を獲得して圧勝し、オルバン首相は今後一層強権的な姿勢を強め、EUへの批判も先鋭化させるものと見られます。

ハンガリーの議会選挙は8日、投開票が行われ、選挙管理委員会によりますと、開票率90%以上で、オルバン首相が率いる右派の与党「フィデス」が改選前を上回る議会の3分の2にあたる133議席を獲得する見通しとなりました。

オルバン首相は支持者を前に、「われわれは歴史的な勝利を収めた。祖国を守る闘いはさらに続く」と述べ、勝利を宣言しました。

ハンガリーでは、3年前に中東などから40万人以上の難民や移民が押し寄せましたが、オルバン首相は国境沿いにフェンスを設け、EUが定めた難民の受け入れ政策にも反対して、選挙でもこうした主張が国民の幅広い支持を集めた形です。

一方、オルバン首相が政権に批判的な大学やメディアに圧力をかけるなど、強権的な姿勢を強めていることに若い世代を中心に反発が広がっていましたが、選挙制度が与党に有利に改められたこともあって、野党は議席を増やすことができませんでした。

選挙結果を受けて、オルバン首相は、一層強権的な姿勢を強め、EUへの批判も先鋭化させるものと見られ、ヨーロッパの中部や東部で進む右傾化や排外的な動きを勢いづけることが予想されます。