お互いにクリーンな選挙を−。秋の統一地方選が迫る中、9月に村議選を控える沖縄県読谷村議会(伊波篤議長)は6日、全員協議会を開き、違法なポスターやのぼり、横断幕の貼り付けの自粛を申し合わせた。前回村議選でのぼりなどが乱立し、村民から苦情が相次いだため初の試み。同席した村選挙管理員会の宇根良雄委員長は「候補者一斉の申し合わせに意義がある。村民代表としてのモラルに期待したい」と述べた。

 村議選は9月4日に告示、9日に投開票される。任期満了の6カ月前からは、選挙運動のための候補者名が入ったのぼりなどは違法となるが村選管によると、前回村議選で出した違法掲示物の撤去命令は23件。「のぼりが目隠しになり、車道に倒れて危ない」「景観を損ねる」などの苦情も相次いだ。

 村選管は撤去命令や警察への通報などで対応するが、当事者や土地管理者に代わって強制的に撤去するのは法律上できない。協議会では、候補者・支援者によるのぼりなどの“張り合い”を断ち切る具体的な方策も話し合った。

 出席議員からは「撤去命令を出すたびに、全候補者に共有すべき」「有権者にも守るべきことが守られていないとの理解が進めば歯止めになる」「新人候補にも周知徹底を」などの意見が出た。

 告別式に花輪を贈るのは違法だが電報は許されるなど、他の違反行為も選管の担当者が説明。前回は選挙公報が投開票日前日に各戸に届いたとし、「(のぼりなどがないと)候補者の顔が見えづらい。一日も早く公報を配ってほしい」との声も上がった。同様の申し合わせは、14年に県内で先駆けて北中城村議会が同じ申し合わせをしている。

2018年4月10日 06:07
沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/234454