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4月13日 4時44分
シリアで化学兵器が使われた疑惑をめぐってアメリカなどが軍事攻撃も含めた対応を検討する中、OPCW=化学兵器禁止機関は、化学兵器が使用されたのか14日から現地で調査を開始すると発表し、アメリカなどの判断にも影響を与えることになるのか注目されます。

シリアの首都ダマスカスの近郊で7日、化学兵器の使用が疑われる攻撃があったことを受けて、オランダのハーグに本部があるOPCW=化学兵器禁止機関は、化学兵器が使用されたのかを調べるため現地に調査チームを派遣することを決めています。

この調査についてOPCWは12日に声明を出し、調査チームが現在シリアに向かっており、14日から調査に着手すると発表しました。

調査の期間は明らかにされていませんが、アサド政権が化学兵器を使ったという見方を示すアメリカのトランプ政権などが軍事攻撃に踏み切るかどうかが焦点となる中、OPCWの現地調査がアメリカなどの判断にも影響を与えることになるのか注目されます。

シリア 調査を盾に米欧をけん制

アメリカによる軍事攻撃を警戒するアサド政権は、OPCWの調査に全面的に協力するとしています。

またシリア外務省は12日、国営通信を通じて、欧米諸国はOPCWの調査を妨げようとしていると非難し、「OPCWの調査チームの到着や作業に遅れがあればすべて西側諸国の責任だ」と述べました。

アサド政権には、14日から始まる予定のOPCWの調査を盾に、アメリカなどに対して軍事攻撃に踏み切らないようけん制する狙いがあると見られます。