世界貿易機関(WTO)は12日、韓国が日本製バルブに課している反ダンピング(不当廉売)関税はWTO協定に違反するとの報告書を公表した。関税は不当として提訴した日本の主張をほぼ支持。韓国企業に及んだ損害や因果関係の説明に問題があると認め、韓国に是正を勧告した。

 報告書は裁判の1審に当たる紛争処理小委員会(パネル)の判断。不服があれば60日以内に上級委員会に上訴することができる。

 バルブは圧縮した空気の流れを制御する部品で、工場の製造ラインなどに使われている。韓国政府は、日本企業が不当に安い価格で輸出して韓国企業に損害を与えたと主張し、2015年8月から11.66〜22.77%の追加関税を適用。日本の提訴を受け16年7月にパネルが設置された。

 報告書は日本製バルブの方が韓国製よりも性能が高いとし、日本製の輸入でどれだけの損害が生じたかを韓国側が十分に分析できていないと指摘。手続きの透明性についても、欠けていたと認定した。

 経済産業省によると、17年の同製品の韓国向け輸出額は約91億円。追加関税で年約7億円の負担が生じているという。

2018.4.13 01:24
産経ニュース
https://www.sankei.com/economy/news/180413/ecn1804130003-n1.html