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一方「王40」はどうでしょうか。この系統のダイヤは、全区間運行が基本です。実際に池袋駅東口から乗ってみると、京浜東北線と東京メトロ南北線、都電荒川線が接続する王子駅前(北区)でやや入れ替わりはあるものの、その後は各停留所で近隣住民と思しき人がぽつぽつと降りていく程度。終点3つ手前の西新井大師前(足立区)か、終点である東武スカイツリーライン(伊勢崎線)と大師線の西新井駅まで乗り通す人も少なくありませんでした。

北区の豊島3丁目バス停における「王40」の時刻表。ここでは、これよりも本数の多い「王57」(豊島五丁目団地〜王子駅前〜赤羽駅東口)も走っている
https://contents.trafficnews.jp/image/000/018/061/180406_tobustop5_02.jpg

 池袋駅と西新井駅は、鉄道で移動する場合に最低でも2回乗り換えが必要です。それをショートカットするルートとしても、沿線住民の足としても機能している一方で、長距離のわりに途中での乗客の入れ替わりが少ないこともあり、ほかの路線と比べるとやや効率が悪いのかもしれません。

 ふだんからこのバスを利用している王子地区在住の30代女性は、「どの時間帯に乗ってもたくさんの人が乗っています。本数も多いのですが、池袋駅前の乗り場にはいつも長い列ができているので、座って帰りたい場合は1本見送ることが多いです」といい、需要の高さがうかがえます。仮にこの系統が、途中で乗客がひんぱんに入れ替わっているならば、乗車人員も収入額もいまよりさらに跳ね上がっていることでしょう。

おわり