川に転落していた女性を救助したとして兵庫県姫路市の今西重太郎さん(81)ら3人が3月、県の善行賞「のじぎく賞」を受賞した。今西さんは助けを求める女性の声を聞くと自ら川に飛び込み、懸命に救助した。「考える前に体が動いていた」と振り返る。(谷川直生)

 他の受賞者は近くに住む自営業の小島哲也さん(50)と塾講師の圭子さん(49)夫婦。

 2月19日午後2時ごろ、今西さんは自宅近くの夢前川沿いを散歩している時に「助けて」という声を聞いた。見渡しても誰もいない。立ち去ろうとした時、再びか細い声がする。その日は雨上がりでかなり冷え込んでいた。「まさか」。堤防からのぞき込むと女性(86)が水面から顔だけを出し、雑草をつかんで必死に助けを求めていた。

 50メートル離れたところにいた小島さん夫婦を大声で呼び、自身は川の中へ。「早く引き上げなければ」との一心で女性の体を持ち上げ続け、夫婦と協力して女性を引き上げた。

 女性を家まで送り届け、念のため救急車を要請した。ずぶぬれだった今西さんも体温低下で倒れてしまい、やってきた救急車で搬送された。幸い翌日には退院。女性が無事だったことから「助けられて本当に良かった」と振り返る。

 高齢を押して奮闘する今西さんに家族は心配そうだが、「人を助けたい気持ちに年齢は関係ない」と力を込めた。

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