ヒトラーがミュンヘン一揆を起こすまえにドイツは超インフレに襲われる
これは戦時賠償の支払いの原動力となっていた炭田のストライキに誘発されたらしいが
それにしても中央銀行の無策は酷かった
その原因は、金融政策も国債管理に置かれていたので機動的に動けなかったせいとも言われる

ところが、ドイツ国内ではこの原因はユダヤ人であるという風説が広まる
つまり、わざとドイツを破産させる陰謀であり、首謀者はユダヤ人の金融資本であるというわけだ

それが正しいかどうかは別にして、このあたりからますますユダヤへの迫害が活発になる
すでに敗戦直後からユダヤ人のせいで足を引っ張られて敗戦したとの風説があったからだ

こうして敗戦も財政破綻もすべてユダヤ人のせいとなり、
いよいよナチスのユダヤ弾圧に向かっていくのである
29年に世界恐慌になると、ナチスはユダヤ陰謀説をさらに盛んに流布し、市民レベルでユダヤ暴行・排斥が始まる
ナチスの歴史とはユダヤ弾圧で飛躍的に人気を伸ばした歴史なのである