◆潮干狩り復活へ手応え 和歌山・片男波干潟、子供たちの収穫体験で採取量大幅増

 アサリの減少で平成20年を最後に潮干狩りを中止している和歌山市の片男波(かたおなみ)干潟で、潮干狩り復活を目指す和歌浦漁業協同組合などが市立和歌浦小学校の児童たちを招き、アサリの生育状況の調査と潮干狩り体験を行った。昨年を大きく上回る収穫があり、アサリの数は大幅に回復していることが分かった。

 片男波干潟はかつて、4〜6月の潮干狩りシーズンには県内外から多くの観光客が訪れた。しかし、アサリの天敵、アカエイやツメタガイなどによる食害の影響でアサリが激減。潮干狩りは中止となったが、27年からアサリを天敵から守るために「食害防止ネット」を設置し、復活に向けた取り組みを進めてきた。

 同組合などは、子供たちに干潟で遊ぶ楽しさを知ってもらいながらアサリの個体数を把握しようと、昨春から小学生向けの体験を開始。今回は、ネットを外した約350平方メートルの場所で、同小3〜6年の児童約160人が潮干狩りに挑んだ。

 調査の結果、採取範囲は昨年よりも50平方メートル増えたものの、アサリは昨年比10倍の約168キロ、ハマグリは約10キロ採取された。横田邦雄副組合長は「量が増え、手応えが少しずつ出てきた。行政とも協力し、潮干狩り復活に向けて努力していきたい」とした。

 今年2月、カキから麻痺(まひ)性貝毒が検出され、二枚貝は採取のみで持ち帰ることはできないが、児童たちは、貝を見つけるたびに大喜び。5年の中西咲華(さくら)さん(10)は「大きい貝がとれるとめちゃくちゃうれしい」と笑顔で話していた。

写真:潮干狩り体験を楽しむ児童たち=和歌山市
http://www.sankei.com/images/news/180424/wst1804240048-p1.jpg

産経WEST 2018.4.24 11:32
http://www.sankei.com/west/news/180424/wst1804240048-n1.html