http://www.bbc.com/japanese/43917197

2018/04/27
ドナルド・トランプ米大統領が7月に訪英することが26日、明らかになった。トランプ大統領は新たにロンドンで建設された米国大使館の落成式のため、今年2月に訪英する計画だったが、大規模な抗議デモが起きるとの見方が出るなか中止していた。

テリーザ・メイ英首相は昨年1月の訪米時に際、国賓としての訪英を提案している。現時点では国賓待遇は予定されていないが、BBCが取材したところ、国賓として受け入れる英政府の提案は現在も有効のもよう。

ジョン・ソープルBBC北米編集長は、トランプ大統領は訪英時にエリザベス女王とも会談するだろうと語った。

英首相官邸は、トランプ大統領がメイ首相と会談を行うと明らかにしたが、詳細は「今後詰める」としている。
メイ首相は、「7月13日に実務訪問のため英国を訪れるトランプ大統領を迎えるのを楽しみにしている」と述べた。

「分断よりも団結」

訪英に先立ち、トランプ大統領はベルギー・ブリュッセルで開かれる北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に出席する。
英首相官邸と米ホワイトハウスは日程について共同で発表する予定だったが、サラ・サンダース大統領報道官が先に情報を漏らしたもようだ。
英国のキム・ダロック駐米大使はツイッターで、トランプ氏が7月13日に訪英すると認め、訪英を「喜ばしく思う」とコメントした。

トランプ大統領は、ロンドン・ボクソール地区に新たに建設された米国大使館の落成式への出席を中止した際、大使館を「街外れ」のテムズ川の南岸に移転させるのは「ひどい取引」だと批判していた。しかし、訪英を中止したのは抗議デモを恐れたためだと指摘する声も出ていた。

ボリス・ジョンソン英外相はツイッターで、「トランプ大統領がようやく、7月13日に英国にやってくるというのは、素晴らしいニュースだ。史上一番すごい訪問で、我々の最も親密な同盟国かつ友人に会えるのを楽しみにしている」とコメントした。(太字部分は原文で、すべて大文字で強調されている)

ジョンソン氏の退任後、ロンドン市長に選出されたサディク・カーン氏はツイッターで、「もしトランプ大統領がロンドンにくれば、開放的で多様性があり、分断よりも団結、恐れよりも希望を選んできた都市を体験することになる。ロンドン市民が言論の自由というリベラルな価値観を非常に大切に思っているのが分かるだろう」とコメントした。カーン市長は、トランプ氏の移民政策などについてこれまで何度か衝突してきた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナル英国のケイト・アレン事務局長は、「トランプ大統領が英国に到着した際には、我々や何千もの我々の支持者たちが声を上げるのは確かだ」と述べた。
野党・自由民主党のジョー・スウィンソン副党首は、「訪問が縮小されたからといって、抗議デモも縮小されるべきではない」と語った。
野党・労働党のダイアン・アボット影の内閣内相はBBCの番組で、抗議デモには参加しないと語ったが、トランプ大統領の「行動や態度のせいで、この国の多くの人は彼を恐ろしい人物だと考えている」と語り、デモを行う権利を擁護した。
同じ番組に出演したマット・ハンコック文化相は、米英関係は「一人の人物よりもずっと深い」ものだとし、「地球上で最も強い経済大国への影響力を確保するべき」と述べた。

同相は、「(元ロシアのスパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんへの神経剤による殺人未遂が起きた)ソールズベリー攻撃を受けて、米国はどの国より多くのロシア外交官を国外退去させた」と話した。「我々がロシアの敵対行為に直面し、支援が必要だったとき、彼らは強力に支援してくれた」。
フェイスブックでは、左翼ジャーナリストのオーウェン・ジョーンズ氏が呼びかけた抗議デモに、すでに3万3000人以上が参加を表明している。
ボウ・グループやブラッジス・グループなど保守派6団体は、トランプ大統領に書簡を送り、大統領の母親が生まれた「先祖の地」スコットランドを訪英の中心に位置づけるよう求めた。
(リンク先に続きあり)

(英語記事 US President Donald Trump to visit the UK in July)