「東京新聞の望月衣塑子(いそこ)さん(42)の著書『新聞記者』を題材にした映画の企画が水面下で進行中だそうです。主演にはなんと、女優の蒼井優さん(32)の名前が挙がっているといいます」(映画業界関係者)

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 東京新聞の望月記者といえば、昨年6月、社会部の記者ながら菅内閣官房長官の定例会見に出席し、加計学園の“総理のご意向”文書について厳しい質問を投げかけたことで一躍注目を浴びた人物。

「官房長官の定例会見は10分ほどで終わるのが通例のところ、望月氏は1人で20回以上質問を繰り返し、いつも冷静な菅官房長官を苛立たせた。最近では、麻生財務大臣の記者会見にも顔を出して、森友文書の書き換え問題についてしつこく質問を続けていました。官邸は望月氏への対応に頭を悩ませているようです」(官邸担当記者)


望月衣塑子さん ご本人登場もある?

 厳しい権力チェックで、“官房長官の天敵”となった望月氏は2000年中日新聞に入社。事件を中心に取材し、04年には「日歯連事件」をスクープした。昨年10月には新聞記者としての自身の経験を綴った著書『新聞記者』(角川新書)を上梓。前述の菅官房長官との“対決”をはじめ、幼少期からジャーナリストになるまでの半生や、自身が報じた数々のスクープを紹介している。

 その著書の映画化の話が水面下で進んでいるというのだ。

「望月記者役には蒼井優さんのほか、満島ひかりさん(32)も候補として挙がっているようです。朝日新聞やKADOKAWAが出資を検討中のようですが、製作委員会はまだ作られておらず、撮影開始の時期も未定。公開は来年以降になる見込みです。ちなみに東京新聞は、“採算がとれるかどうか”としり込みしているとか(笑)」(前出・映画業界関係者)

 監督には、オウム真理教をテーマにしたドキュメンタリー映画『A』などで知られる森達也氏を予定しているという。

菅官房長官役は誰が……
望月氏には女優を目指した過去も……

 企画を立ち上げた映画製作会社スターサンズ代表の河村光庸氏が語る。

「内容はあくまで望月さんの『新聞記者』を下敷きにしたフィクションです。単純な“暴露”や“安倍叩き”ではなく、この映画を通して『ジャーナリズムとは何か』という本質的な問題を突き詰めたい。とはいえまだ脚本もできていない段階で、当然キャストは1人も決まっていません」

 一方、当の望月氏本人はどう考えているのか。

「『ペンタゴン・ペーパーズ』ではないですが、森友文書の改ざん問題や自衛隊の日報問題が出てきている今の状況に合わせて、政治の問題をもっと身近に感じられるような作品にしたいと思っています。映画を観た方に小さな声をあげる勇気を与えて、それが政治や世の中を動かしていくきっかけになるような映画にできればいいですね」

 かつて児童劇団で舞台『アニー』の主演をつとめるなど、女優を目指した過去もある望月氏。今回も彼女の演技シーンを期待したいところだが……。

「出演は希望していませんが、脇役とか、実は端の方にひっそり映っているとかね(笑)」(同前)

 今度は官房長官がチェックする側にまわりそうだ。

http://bunshun.jp/articles/-/7179?page=1