◆F22とF35の「ハイブリッド戦闘機」の日米共同開発はファンタジーに過ぎないのか

◇「ハイブリッド戦闘機」の共同開発案をロイター通信がスクープ

ロイター通信のスクープを発端に航空業界が喧騒に包まれている。
航空自衛隊の戦闘機F2の後継機(F3)として、アメリカが誇る世界最強のステルス戦闘機F22と多用途性ステルス戦闘機F35を組み合わせた「ハイブリッド戦闘機」を開発する案を米ロッキード・マーチンが日本政府に非公式に打診したとロイター通信が特ダネで報じた。

ロッキードは米政府と議会の認可を得て夏までに正式提案するという。
もしF22とF35のハイブリッドという夢の戦闘機が日米の最先端技術で実現したら中国やロシアの脅威を封じ込め、アジアだけでなく世界の制空権を確保できる。

しかし、いったいどんな戦闘機ができるのか想像もつかない。
米サンフランシスコに住む国防・安全保障専門のジャーナリスト、カイル・ミズカミ氏は技術誌ポピュラーメカニクス(電子版)にこう書く。

https://www.popularmechanics.com/military/weapons/a19987214/what-japans-f-22f-35-hybrid-fighter-might-look-like/

「F22のステルス性とツイン(双発)エンジン、素晴らしい運動性能、大き目の兵器庫と、そしてF35の最先端コンピューター、近代的なアビオニクス(電子機器)、ネットワーク能力を組み合わせたデザインになる」

「もし完璧に統合できたらハイブリッド戦闘機はF22とF35の弱点を克服し、双方の強さを併せ持つ。日本はエンジンと機首に搭載されるレーダーを含む自国製機器を統合することを求めるだろう」

ロイター通信によると、三菱重工が共同開発のまとめ役になり、IHIのエンジン、三菱電機の高性能半導体を使ったレーダーを活かしたい考えという。

■対中国、ロシアの最前線に立つ日本

F22は「ラプター(猛禽類)」という愛称を持つ世界最初のステルス戦闘機だ。
レーダーや赤外線探知装置に悟られず、隠密性が極めて高い。

2006年にアラスカで行われた演習で既存の戦闘機に対して144機を撃墜し、F22は1機の被害も出さないという完璧なまでの撃墜比を記録した。
任務遂行能力率は97%という文字通り世界最強の戦闘機である。
しかし高いステルス性は「門外不出(輸出禁止)」の軍事機密とされ、同盟国にも売却されないまま、アフガニスタンやイラクでの戦費が膨れ上がったため、F22は生産停止に追い込まれた。

緊急発進(スクランブル)の回数で比べると、16年で日本は北大西洋条約機構(NATO)29カ国を合わせた870回より多い1168回。
頻繁に中国機やロシア機が日本の空を脅かしている。

解説図:http://static.blogos.com/media/img/72244/free_l.jpg

領空侵犯した敵を撃破する任務を担う航空自衛隊の戦闘機は17年版防衛白書によると、通常離着陸型のF35A(4機、F4の後継機として計42機を調達予定)、F15J/DJ(201機)、F2A/B(92機、F16をベースに日米共同で改造開発したもので00年に導入)、F4EJ(52機)。
中国人民解放軍は第5世代のステルス戦闘機J20(殲撃20型)やFC31の開発を進め、ロシア軍もF22に匹敵する性能を持つとされるSu(スホイ)57をシリアに展開している。

先のエントリーでも紹介したように、イギリスの有力シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)は世界の軍事情勢を分析した報告書「ミリタリー・バランス2018」で次のように警鐘を鳴らしている。

「中国が独自開発したJ20は20年までに前線への実戦配備が開始される。アメリカだけがステルス戦闘機を作戦で運用できた独占状態は失われるだろう」

「過去30年間にわたってアメリカと同盟国のキー・アドバンテージになってきた制空権はもはや保証されているわけではない」

BLOGOS(ブロゴス) 2018年05月04日 19:45
http://blogos.com/article/294868/?p=1

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※続きます