>>363
それも俗説だよ

そもそも奴隷廃止の先駆けとなったイギリスのジャマイカサトウキビ奴隷の廃止法案は
非常に不思議な経緯で国会を通過している
この点を知らないと、奴隷廃止の実情が理解できない

これも箇条書きに整理してみよう
1)人道的なキリスト教徒からの奴隷廃止運動は1790年代から盛んになるが、大きな勢力にはならなかった
2)ところが1810年代に突如としてイギリスは、ジャマイカ周辺の奴隷の搬送を禁止する法案を成立させてしまう
3)イギリス三角貿易の重要拠点であるジャマイカサトウキビ労働は
まさに大英帝国の心臓部とも言うべきドル箱だったから
この奴隷廃止法の成立は極めて不思議な出来事なのである
4)ちなみに産業化したから奴隷不要という理屈はそもそも成立しない
なぜならば、工場生産の原料になる農産物は、世界中のプランテーションの奴隷たちが生産しているのだから
工場が大きくなれば、海外の農業奴隷もそれに比例して多くなるのが当然だからである
5)イギリスにおけるジャマイカサトウキビ栽培奴隷の禁止は、実は、国会内部の権力闘争が原因であったと言われる
つまりジャマイカなど海外のプランテーションで蓄財した国会議員(植民地資本)と、
国内の工場で蓄財した新興勢力の国会議員(産業資本)との対立から
産業資本側の植民地資本への嫌がらせとして、ジャマイカ奴隷禁止を成立させてしまったのである
もちろんこれはキリスト教の運動にも多少は関係があるが
それよりも植民地の政治パワーを削減したい動機があるから
多数の賛成で成立したのである