【ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介】トランプ米政権が北朝鮮の完全な非核化を条件に、北朝鮮側に体制保証や経済支援の用意がある考えを伝えていたことが明らかになった。北朝鮮側も一定の評価をしているもようだ。北朝鮮が支援を先取りしないように、核査察受け入れなど厳格な非核化の検証計画を条件にする方向だ。

 ポンペオ国務長官と韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は11日、ワシントンで会談し、6月12日にシンガポールで開く米朝首脳会談を巡り協議した。ポンペオ氏は会談後の記者会見で、北朝鮮の非核化に「しっかりした検証計画が必要」と強調。康氏も「北朝鮮が目に見えて意味のある行動を取らない限り制裁は残る」と指摘した。

 ポンペオ氏は9日に平壌で金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談した際、「米国が与えられる体制保証」について話したと明らかにした。「北朝鮮の繁栄に向けた支援の用意がある」とも表明。経済制裁緩和やエネルギー支援などが含まれる可能性がある。

 12日付の韓国紙・朝鮮日報は米朝協議に通じた関係者の話として、ポンペオ氏が体制保証と制裁緩和、経済支援をまとめた「包括的パッケージ」を北朝鮮に提示したと報じた。日米韓と欧州連合(EU)が役割を分担して支援する方法にも言及したという。

 北朝鮮メディアはポンペオ氏の訪朝後、金正恩氏が「満足な合意をした」「新たな代案を高く評価した」などと伝えている。この「新たな代案」に北朝鮮が望む体制保証や制裁緩和の道筋が含まれていた公算が大きい。

 1994年の米朝枠組み合意や2005年の6カ国協議共同声明は、いずれも非核化や経済支援を約束。北朝鮮は非核化を履行しないまま重油の提供を受けた。ポンペオ氏が「検証計画」の必要性を訴えたのは同じ失敗を繰り返さないためだ。

 韓国政府高官は12日、ポンペオ氏の発言に関し「長期的ビジョンの提示であり、当面の具体的措置を指しているわけではない」との見方を示した。

2018/5/12 19:51 (2018/5/12 20:39更新)
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3043245012052018MM8000/

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