【えりも】日高管内の春のサケ・マス定置網漁が好調だ。最大の水揚げを誇るえりも町では、トキシラズ(回遊中のシロザケ)の水揚げ量が例年を大きく上回り、浜は活気づいている。一昨年、昨年と記録的なサケの不漁に悩んだ町の漁業関係者は今季の豊漁を期待している。

 「よし、入ってる」。15日早朝のえりも沖。定置網漁船の乗組員10人はマスやカレイが入った網の中にトキシラズが混じっているのを確認すると、網を一気に引き上げた。トキシラズは秋サケより脂乗りが良く価格も高い。この日は23本を水揚げし、漁労長の伊吹好晴さん(62)は「昨年のこの時期はトキシラズがまったく捕れず本当に苦しかった。出足としては好調だ」と笑顔を見せた。

 えりも漁協の春定置網漁はえりも、様似両町の9カ統で4月30日に始まった。大型連休明けから本格化し、14日現在の水揚げ量はトキシラズ5トン、マス類10トン。特にトキシラズは80キロだった前年同期に比べて約60倍で、今年は一日に200本以上とれる日が続いている。金子武彦参事は「秋までこの調子が続いてほしい」と豊漁への願いを口にした。春定置網漁は7月中旬まで続く。

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