福井市は2月の記録的な豪雪で除雪や公共設備の補修の費用がかさんだことを理由に、全職員の給与を7月から9カ月間、1割削減する方針を固めた。貯金に当たる財政調整基金をほぼ全額取り崩し済み。今後、事業を縮小や先送りしても、約8億円分の財源が足りなくなるためだ。

 約2300人の全ての常勤職員が対象で、7月から2019年3月まで実施する。給与と管理職手当は1割ずつ、特別職報酬は2割減らす。19年度以降の給与で減額分を支払うことは検討していない。同市の職員労働組合は「断固反対で容認できない」としている。

 市によると、17年度に除雪にかかった費用は約50億円で、例年の7倍強に上った。このうち約19億円は国などからの補助が出たものの、残りは市の財源で対応した。

 財政調整基金はピークの06年度には31億5千万円あった。近年は北陸新幹線の沿線や今秋の福井国体など大型事業の費用の補填で取り崩しが常態化していた。

2018/5/16 17:22
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30582500W8A510C1LB0000/