大けがをし疲労や乾き、寒さのストレスに見舞われると、人は冷静に考えられなくなる。
自分にわかるのは、ただ自分が発狂しかけている感じがするということだけである。
窮地を脱する作戦が失敗すると、遭難というみずからの運命を受け入れてしまう。

実は遭難して生き残る確率がきわめて高いのは、経験をつんだハイカーや軍隊の兵士でもなく
六歳以下の子供なのだ。そしてもっとも生存率の低い集団に七歳から十二歳までの子供がいる。

生き残りの秘密がここにある。
幼児にはまだ大人と同じ行動をするすべを学んでいないということがある。
つまり六歳以下の幼児は、本能によって自らを現実を受け入れ、身体の声や自然に耳を澄ませ、生き延びるである。