京急追浜駅に隣接する湘南病院に私は入院させられていました。
中学2年生の時です。理由は登校拒否。
親からは一週間程度入院するだけだからと聞かされていました。
しかし実際は4か月以上閉じ込められていたのです。

親は朝日新聞・本多勝一の書いた記事を真に受けて、
湘南病院なら私の登校拒否を治してくれるかもしれない、
と思って入院させたようです。
ところが、本多勝一は、湘南病院には思春期の登校拒否生徒を
専門的に治療する医師がいる、という全くウソデタラメな記事を
書いていただけでした。

当時まだ13歳だった私は、他の大人の入院患者と同じ病棟に
入れられたのですが、そこには重度の統合失調症患者、
当時は精神分裂病と呼称していましたが、そういう人も何人もいました。
そして医師や看護師のいう事に従わない患者は、
独房と呼ばれる真っ暗な部屋に閉じ込められ、隙間から食事だけが
差し入れられる、という措置を受けていて、
私はいつか自分もあの部屋に入れられるかもしれないと思い、
いつも恐怖にすくんでいました。

学校ではいじめっ子からいじめの標的にされ、
それが怖くて学校に行けなくなっただけなのに、
まるで私自身が精神を病んでいるかのように扱われ、
本物の精神病患者たちとの共同生活を強いられていたのでした。

そして治療らしい治療はまったく行われませんでした。
夜9時の消灯時間前に薬を飲まされるだけ。
そして週一回、医師が回診と称して患者の様子を眺めに来る、
それだけでした。